アクリル画の作家でもある生徒さん。素材をしっかり学びたい。と日本画のレッスンをしています。
今日は、下塗りの作業。胡粉の練り方をお伝えしていきました。
膠の溶かし方から。江戸時代の書物に残っていたアク抜きの豆知識も。
かなり長持ちするので是非やってみてください☺️
下塗りはやらない方もいるのですが、上澄胡粉を塗っておくと転写や骨描きがしやすくなるのでお勧めです。
胡粉でなく水干絵の具でされる方もいるようですがあまり濃い色だと転写がしにくくなりますので、まずは胡粉をお勧めしています。
ただ、胡粉と膠の関係は実は良くなくて、あまり厚く塗ってしまうと剥離の原因になります。
分厚く下塗りしたいという場合や絹などに白を下塗りしたい場合は白土を使うと良いかと思います。
江戸時代には胡粉は3種類ありまして、貝殻、白土、鉛の白い絵の具を合わせて胡粉と呼ばれていたそうです。
現在では胡粉と言えばイタボガキから生成される胡粉です。
江戸時代中期までは下塗りとして白土を塗り、湿度を調整するように描かれていて剥離が少なかったそうなのですがそれ以降の作品は剥離が多いのだとか。。。
知識がどこかで途切れたようです。
上村松園さんの絵も剥離が始まっているとのこと。
詳しくは内田あぐり先生監修の「膠を旅して」に書かれていますので一読ください。
話は外れてしまいましたが、日本画は特に表装の文化が下地にあるからなのか?保存や、後世に残すために、貼り直しや仕立て直しができるようにという考えが根底にあるような気がします。
作家としても作品がご自分の手を離れた後、
その後に修復しやすいように、仕立てしやすいように。素材や額装、表層にもこだわっていけるよう考えて制作をしていっていただけたらと思います。
次回は骨描きと水干絵の具の練り方をやっていきましょう!
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